念願のマイホームが完成し、楽しい新しい暮らしがスタート。
だけど、よく見ると床が斜めになっていたり、雨漏りがしたら大変。
そんな新築住宅のトラブル・瑕疵(不具合、欠陥、建築ミスなどのこと)
に対処するための法律があります。
2000年4月より施行された
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)の第88条に「新築
住宅の売買契約においては、売主は、住宅の引渡しの時から10年間に渡っ
て、構造体力上主要な部分等に関する瑕疵担保責任を必ず負う」と売主に
義務付け、住宅の買主を保護しています。具体的には、下記の内容となり
ます。
①対象は新築住宅
新築住宅とは、新築後1年以内の住宅で人が居住したことが無いもの。
それ以外の中古住宅・既存住宅は対象となりません。
②対象部分は
a.新築住宅の構造耐力上主要な部分
基礎、壁、柱、屋根、床、小屋組、土台、筋交い等、仕上げ材等は除く
b.新築住宅の雨水の侵入を防止する部分
屋根、外壁、外廻り建具の取り付け部分等
③隠れたる瑕疵であること
隠れたる瑕疵とは、買主が一般的に要求される程度の注意をはらったにも
かかわらず 買主が発見できなかった欠陥のことです。
一般の人が通常知ることのできない欠陥に対し、瑕疵担保責任を追及する
ことができます。
④期間は引渡しから10年間
引渡し(売主から買主への引渡し、又は建築業者から売主への引渡しの
どちらか早い方)から10年間に限定されています。
従いまして、欠陥があってもその発見が10年以降であれば責任追求はでき
ません。
⑤権利行使期間が終了すると、責任追求できません
買主が欠陥を発見しても、その時から1年以内に、売主に責任追及をしな
ければいけません。この1年間を権利行使期間と言い、これを過ぎてから
欠陥の補修や損害の賠償などを要求しても、売主は責任を負いません。
⑥要求できる内容は
a.住宅の欠陥の補修工事の要求
b.補修工事の要求をすることなく、その欠陥から生じた損害を金銭で
賠償するよう要求
c.契約解除
特に欠陥がひどく住宅に住むことができない場合などの時は、売買契約
を解除し、代金の返還と損害賠償を要求
(解除は売買契約のみで、補修不能な場合に限ります)
なお、事業者が倒産した場合でも、大丈夫。
新築住宅の請け負い人や売主(事業者)に、保険への加入や保証金の供託
などを義務付けた法律があり、保険金や保証金によって補修や賠償を可能
にし、発注者や買主(宅建業者は除く)を保護しています。
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